Deep love



茹る様な熱帯夜‥
暑さに強い此の漢も風一つ吹かない室内にとうとう我慢出来ず、遂にその重たい瞼を開いた

「暑い…」

再び寝ようにも室内に広がる熱気と生暖かい空気が不快に感じる。
彼…ほたるにとって、安眠を邪魔される事程嫌な事は無いのだ
珍しく彼なりに涼くなる方法を考えた結果、アキラの居る部屋はさぞ涼しいだろうという結論に達した

思い立ったら即行動

真夜中だと言う事もお構いなしに障子を開け、渡り廊下へ出る
ぎしっと床の軋む音が闇夜に響いた

「あっ」

自分の寝て居る部屋と右隣りの部屋…つまりゆやの寝て居る部屋に目をやる
暗くてよく見えなかったが目を凝らしてじっと凝視すれば、何となく…いやどう見ても部屋の障子が全開に
開いている気がする

「…居ないのかな?」

そんな訳ないのだが…
とたとたと掛けよって部屋を覗く

いた


部屋の中には仰向けに布団に寝転がるゆやの姿
すやすやと規則正しい穏やかな寝息だけが室内に響く

「…寝てるの。」

一様声を掛けてみるがやはり返事は返って来ない。代わりにごろんと寝返りを打った

その仕草とまだ幼い寝顔が可愛くて思わず笑みが零れる
と、ふとある事に気が付いた

「此処‥涼しいね。」

自分等の部屋と何か違う。そよと時折流れて来る夜風が心地良く感じる
…どうやら障子を開けて風の通りをつくるのと締め切ってしまうのとではだいぶ違う様だ
だがいくら外が庭で誰も通らない時刻でも障子を全開にして無防備な寝顔を曝している事にほたるはむっとした
もしも仲間の誰かが厠か何かでこの部屋の前を通ったら、彼等の理性はどうなるか…絶対解って無い

彼女が皆を想う以上に皆が彼女を想い、焦がれているのだから
…無論、己自身も

そこまで考えてほたるは胸の苛つきが押さえられなくなった

室内に入りゆっくりと近付く
頬に掛かる金糸の髪を払除けるとキメのある白い肌が覗いた

そっと首筋に口付ける

「んん‥」

くすぐったさからか、ゆやは身を捩り微かに肩を震わせた

それに構う事なくほたるは口付けを続ける



「ん…ぅ」

暫くして、ゆやがダルそうな声をだす
いくら風が吹いて居ても真夏に此の狭い室内で大の漢に密着されれば暑くもなるだろう

「…ぅ‥ん」

あまりの寝心地の悪さにふっと眼が覚める

「…」

まだ頭が冴えていない為、ゆやはぼんやりと時折視界に入る金色の髪を眺めていた

「ゆや」
「‥んぅ、…るさ‥…。………へ?」
「起きた?」
「えっ、お、起きたって…ほたるさんが何で此処に?!」

わたわたと慌てながらどうして自分はほたるに伸掛かられているのかと必死に考える

「…」
「…ほたる‥さん?」

ほたるの不機嫌なオーラに気付きゆやは顔を曇らせた
如何したのかと聞こうと口を開いた所を、ほたるの言葉に遮られる

「ゆや…此の前俺がゆやの事好きだって言ったら嬉しいって言ってくれたよね?」
「え…は、はい。」

ほたるの唐突な言葉にゆやは頬を赤める

「本当‥?」
「ほ、本当ですよ!」

「‥‥じゃあ、証明して」

「え?‥−っ!」


ぞくっと脚に違和感を感じる

「ほた、ほたるさん?!」

ほたるが何をしようとしているのかゆやは漸く理解した

「っや」

いつもと違うほたるの行動にどうしたら良いか解らず堅く目をつぶり身体を強張らせる

「−っ」
「怖いの?」

ほたるの動きが止まり行為が中断された

「ゆやは俺のコトが怖いの‥嫌いになったの?」
「―え」

「俺はゆやの事が好きだしずっと一緒にいたい…けど、ゆやはそうじゃないの‥?」
「‥ほた‥」

思えばほたると自分の気持ちが通じあってから彼とは一度もまともに話をして居ない
それは単に眼を合せるのが恥ずかしかったり、忙しくて一緒に居られないと言う、彼女の、彼女らしい可愛い悩み
事…だがその事が少なからずほたるを傷付けてしまっていたと気付き、ゆやは真直ぐほたるを見つめ返した


「嫌いになんて‥なれる筈無いです。」
「ゆや‥?」

微かな震えが身体から伝わり、ほたるも我に帰る

「わ、私ももっといっぱい話したいし触れていたいし‥一日中一緒にいたい。」

最後の方は掠れてしまいまともに声がでない…
だがほたるは嬉しくて仕方が無かった

やっと聞けたゆやの想い

感情が高ぶり目尻に薄らと浮かんでいる涙を優しく拭い取った

「御免なさい…ほたるさんの事傷付けて。」

「ううん。俺こそ御免。ゆやの気持気付けなくて」



「「…」」

どちらとも無く瞳を閉じる


好き


それはとても単純で簡単…だからこそ解らなくなる時がある
だから、此の想いだけは見失わない様に…


「愛してる。」



 END

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逃げて良いでしょうか……。
ご、御免なさい洋ナシの分際でに捧げモノとか大それた事を申しまして…。且つ、最近スランプ気
味で、納得いく甘甘が中々書けませんで(投石)しかも無駄に長い。四千字超えたのは初めてです。
甘甘なのかも微妙です、最後は最後でアレな関係になっt(強制終了)

兎に角、瑞葉様、お誕生日おめでとう御座います!!
之からもほたゆやを愛して下さい!!

そしてひっそりとイラストも描いていたり↓











お粗末様でした‥。。




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