◇Very Sweet?◇
「時人君は甘い物が好きなの?」
篤濃牛乳プリンを満足気に頬張る僕を眺めながらゆやが可笑しそうに呟いた
スプーンを持っている腕を止めて僕は首を傾げる
「嫌いじゃないよ。そうだね‥むしろ好きっ!」
プリンは勿論
蕩ける位い甘い甘いチョコレートとか
何時までも口内に余韻が残る蜂蜜とか
甘い物全般にほとんど好き
「ん〜‥だけど‥」
「うん?」
興味深そうに身を寄り出すゆやに悪戯心たっぷりな笑みを返す
あ、顔が強張った。
ちょっと身の危険感じたかな?
けど‥、遅いよ
素早く腕を伸ばして華奢な身体を引寄せた
目の前に艶めく美味しそうなお菓子に、僕は夢中で貪りつく
「ちょっ─‥っん…―っっ!!!」
甘く噛んで
舐め回して
弄って
"ゆや"と言う名のお菓子を思う存分味わった
そぅっと薄目で盗み見ると耳まで真っ赤に紅潮してる
嗚呼‥本当に−
何てそそられるお菓子なんだろう
「んっ‥─っふ―!!」
まだ味わって居たかったけど、息苦しそうにもがき始めたので仕方無く解放してあげた
余韻に浸る僕を恨めし気な瞳が睨見つける
けどこれは照れ隠しだって事を僕はちゃんと知っているんだ
「もぉっ!いきなりするなんて酷いよっ!!」
「ふふ‥だってゆやがかわいーんだもんっ。つい味見したくなっちゃった。」
「あ、味見って‥」
「とっても美味しかったよ。ご馳走さまっ!」
にっこりと邪気を隠した笑顔を向けると、彼女も怒るに怒れなくなってしまう
勿論、これが僕の作戦だけどね
「でもねゆや。僕もーっと甘いお菓子が食べたくなっちゃった。」
「─‥え?」
きょとんとした瞳で可愛らしく小首を傾げるゆやに今度は邪気を含んだ笑みを向けた
途端、みるみる蒼褪めていく紅い頬
「─え"……まさか」
「うんっ」
にじり寄る僕に後退るゆや
今は放課後、鍵も掛けた、邪魔者も撒いた
―って事で準備も万端
「ゆぅーっや!!」
「──っ!!!!!」
絡み合った二人だけの甘い甘い時間。
僕は極上のデザ−トを心行くまで堪能した
半ば叫びに似た抗議の声も聞こえた気がしたけどうん、空耳って事にしておこう…。
…終われ。
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グガッ!鳥肌がッ。
柄にも無く甘甘を書いたのは某漫才コンビのネタから。おざわさん面白いから好きです。
私の中の時人は14巻で止まっています。自分中心我侭少年の彼が一番だ。
2005・10/8