I want to know your mind 最近ゆやが自分を避けている気がする。 思い当たる事が或るだろうかと考えてみたが無い…たぶん。 気になったら本人に直接聞くのが彼の正確だ。 「ねぇ俺の事嫌い?」 部屋への廊下を歩く所を腕を引かれ引き止められた。 「ほ、ほたるさんっ?」 驚いて振り返る。 一度合わさった視線がすぐに横へと逸らされた。 それが無性に苛ついて腕を掴む手に知らずに力が入る。 「ほたるさ…痛…」 「答えて。」 鋭い視線が容赦無く突き刺さる。 最近では身近に感じて忘れていたほたるの殺気に肩が小刻みに震えた。 ねぇお願い。違うって言って 「…嫌いなの?」 普段より低い声。 ゆやは黙ったまま俯いている。 …其れが返事? 「きゃっ」 掴んでいた腕を引っ張り胸の中へ引き込んだ。 湯上がりで濡れた髪からはぽたぽたと雫が落ちる。 「あ…あの」 ほたるの行動に動揺を隠せないゆやは抱きしめられた侭動く事が出来ずにいた。 「嫌いなら別にいいよ。もう…近付かない。」 そう呟くと抱き締めていた身体を開放する。 「あ…ほたるさ…。」 去って行く後ろ姿をゆやは何も言えずに呆然と立ち尽くしていた。 それからと言うもの、ほたるは完全にゆやを避ける様になった。 食事の時も皆と歩いている時も一度も視線を合わせようとしない。 ぐっと胸が詰まる 私が望んでいたのはこんな事じゃなくて… 「…なに?」 何とか誤解を解きたくて風呂場へ向かうほたるを待ちぶせた。 「あの、話が…。」 「俺風呂入るから。どいてくれる。」 冷たく言い放つとすっとゆやの横を通り過ぎてしまった。 「ほたるさんっ…」 待って待って待って 行かないで行かないで行かないで 「--っ。」 ぽたりと涙が床に零れ落ちた 「ゆや…?」 目の前で泣きじゃくるゆやにほたるも驚いて立ち尽くす。 「…何で泣くの?」 「…。」 「俺の…せい?」 「ちが…ほたるさんは…悪くない。」 止め無く流れる涙を必死で拭いとる。 「わたし…が…私がちゃんと言わないからほたるさんを傷つけて…。」 縋る様にほたるの裾を握り締めた。 絞りだす様に震える声で囁く。 「す…き…です。ほたるさんの事が好きです。」 「…え?」 瞬間、ほたるは何が起こったのか解らなかった ゆやが…俺を? 「でも俺の事ずっと避けてた。」 「ほたるさんの事好きなんだって、気が付いたら…今迄見たいに接する事がすごく怖くて…」 「怖い…?なんで?」 「ちょっとした事でも嫌われるかもしれないと思って…。だったらこの侭見ているだけで構わないって決めて。」 尚も涙は流れ続ける。濡れた瞳と頬の姿がとても扇情的に映った。 「ゆや。」 ほたるはそっと近付き舌先で瞳に溜まる涙を拭い取った。 「俺今、すごくうれしいよ。俺もゆやの事ずっとずっと好きだった。」 顔を上げ涙で滲んだ瞳でほたるを見つめた。 そんな姿でさえ美しいと思えてしまう自分は、きっと彼女以上に彼女を愛しいと感じているのだろう 「本当…?」 「ん。ねぇ、またぎゅってしていい?」 「…はい。」 ふっと自分だけに見せてくれる極上の笑顔。 ずっと欲しかった温もりを二人は確かめ合う様に抱き締め合っていた。 これからはずっと一緒だよね…。 _______________________________________ ほたゆや100%甘甘甘。 辰ゆやで甘甘書いたんだからほたゆやでもありだよな--っと。 基本的にこのサイトはほのぼのとシリアスで成り立ってますから。 ほたるに「ぎゅってしていい?」と言うセリフを言わせたい衝動で思いついたものですが・・・。 甘甘はやっぱ管理人には向いてません。 2004・3/15
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