もし、また逢えたら







ありがとうって言ってくれたヒトは君が初めてだったよ…





「へぇ、此処が人間達の世界…。」


一面に広がる賑やかな通の数々

――明るい笑い声

――楽しそうな笑顔

そのどれもがこの6歳の少年の眼には不快な物として映った

「…くだらない。」

生まれてきた時から此処の世界の者はクズ同然と教えられてきた自分にとって
此処はなにより居心地の悪い場所でしかなかった。

「もう帰ろうかな。」

そんな事を考えていると下から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。見れば、
自分と同じ年頃の女の子がこっちを見て手を振っている…

「ねぇ!ねぇってばー!!」


「…何?」

見下したような瞳で睨みつける
しかし相手は子供。そんな事は気にも止めない。

「一緒に遊ぼうよー!!」


「…何で?やだよ。」

(どうして僕が人間なんかと。)

「じゃあ私もそっちに行っていいー?」

(…何でそうなるんだ…しつこいな。)


「来れるならね…。」

今自分がいるのは神社の隅に生えている小さな桜の木の上。小さいと言っても有に2mはある。
大人なら軽く登れるが、子供には到底無理だ。

…そう思ってわざと言った。

案の定、女の子は困った様に木の周りをうろうろしている。
(早く諦めてよ。)

うんざりした顔で下の様子を見ていたが、しばらくするとふっと少女の姿が消えた。

「やっと諦めたか…。」

ふぅっとため息を吐くと下の方からう-と、小さな声が聞こえる。

「なっ…!」

驚いて思わず顔を上げる

「何やってんだ!」

諦めた…と思った少女は木にへばりくっ着いて何とか上に登ろうとしていた…。





「ひゃぁっ!!」




ずるっとバランスを崩して少女の体が木から離れた。


「危なっ!」

知らない間に体が動いていた

気が付けば頭からぶつかる所を寸前で受け止め、かばう形で少女を抱きしめている自分がいる…。




(な…)







(何、助けてるんだ僕は…!!)





訳の解らない自分の行動に困惑していると、がばっとかいきなり少女が起きあがった。


「お兄ちゃん大丈夫?痛い所無い?」

「あ…ああ…。」

「良かったぁ。ごめんなさい。」

「…別に…」

「助けてくれてありがとお。お兄ちゃんすごいね。あんなに高い木に登れるんだ!!」

にこっと、屈託のない笑顔で笑う。


「あのね、ゆやすごく綺麗なお花がたくさん咲いている所知ってるの。お礼にお兄ちゃんに教えてあげる!!」

ぎゅっと少年の手を握りながら言う。


「え…。」


いままで触れたくも無いと思っていた外の世界の奴。






(なのに。)





(何だろう…)



(なんだかとても安心する…。)


「お兄ちゃん名前は?私しいなゆやっていうの。」


その時僕は微笑んでいたのかもしれない…




「…時人…ときとだよ。」






――――――――――――







それからの事は正直あまり覚えて無い。







「鬼眼の狂達がこの壬生の地に入った…。」




けど…一面花に囲まれた所に行って、
無邪気にはしゃいでいた君の姿は今でも記憶の中にあるよ



「壬生に逆らうやつは殺せ…」





もし、またあのこに逢えた時…





「わかったな時人…。」






「はい、吹雪さん!壬生に逆らう愚か者には死、あるのみです…」


   




        僕はどうするのだろう





_fin_


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痛!!!!!!

なんだか最後の方痛くなってしまって申し訳ありません(滝汗

私の中の時人は見た目凄い嫌な奴だけど実は心に大きな傷を待った子供って感じです。(シリアスだと)
やっぱりまとまりのない文章だ…
精進…できると良いな…
2003・8/23

   












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