//酒豪//
甘くておいしいって思ってたらだんだん気分も良くなってきた….。
「…く、おい、螢惑。」
「んー…」
起こさないでよ…。折角いい気持ちだったのに…。
「おい、こんな所で寝たら風邪ひくぞ。」
うつらうつらと眼を開ければ目の前にいるのはバカ兄貴…。
「酒飲み過ぎだぞ。」
「酒じゃなくてオトソでしょ?」
「酒は酒だろうが。寝るなら自分の部屋で寝ろ。」
…相変わらずうるさいな…。何処で寝ようと俺の勝手だろ。
「ったく、ほら起きろ。」
部屋まで運ぼうとほたるをかつぎ上げる。
「辰伶…。」
「なんだ!」
「揺らしたら吐く。」
…顔真っ青だけどどうしたんだろ。止まってくれたから別に良いけど。
「なんか喉乾いた…水だして水。」
「は?」
「だして…。」
「お、おい、乗っかるな!」
「あ〜体だるい。」
気分は良いけど…。
「…螢惑、お前まさか酔っているのか?」
酔う…?そういえば顔熱いかも…。なんかくらくらして来たし…。
―思考停止―
「…け、螢惑?」
動かなくなったほたるに、寝てしまったのかとおそるおそる後ろを振り向く。
「…。」
背負っているため顔はよく見えなかったが大人しくしていると言うことは寝ているのだろう…。
仕方無しにそのままほたるを部屋へと運ぶ。
「おい起きろ、着いたぞ。」
部屋の前まで来ると人の背中で熟睡している男をど鳴り起こす。
「ん〜…………………ぐぅ。」
―おきる気配まったくなし。
一発殴りたくなる気持をこらえ、寝台まで運んでやる。
「ったく…。何故オレがこんな事までしなければいけないのだ。」
寝台にほたるを投げ捨てる。
「んー…。」
振動で(酔った)ほたるが目を覚ました。
ぐいっ
「なっ!」
襟を掴まれ引っ張られる。
油断していたためあっさりと寝台に倒れ込んだ。
「お、おい!はなせ螢惑っ!」
慌てる辰伶を無視して平然とほたるは抱きついてくる。
そりゃもう、端から見たらいちゃついている様な…
「はなせっ!この馬鹿者っっ!」
「冷たくて気持ちい…。」
ごろごろと喉を鳴らしながらそのまま夢の続きへ…。
「あ、もし逃げたら燃やすから…。」
がっしりと抱きつきながら脅しを掛ける事も忘れずに…。
「…。」
絶対本気だ。
おかしな体制に冷や汗をかきながら、ただひたすらにほたるの酔いが覚めるのをまった。
そしてひたすら神に祈る。
誰にも見られませんようにと…。
数時間後、酔いが覚め何があったかまっったく覚えていない弟と
哀れな兄との死合が始まる。
― FIN ―
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ほた→辰・・・・・?BLはやっぱ無理でした。
季節が正月の話なんですけどかなりオソ筆になってすいません。
自分の文才では此れでいっぱいいっぱいです。