俺って独占欲強いから。


他の奴らなんて見つめていないで…



独占欲


「ほたるさん。」


縁側でボーッとしてたらゆやが近づいて来た。優しい空気に自然と気分が良くなる

「出かけてくるので留守番お願いしますね。」

うれしそうな声。なんか少し気になった


「…どこ行くの?」

「お祭りです。近くでやってるってアキラさんが誘って下さったんで。」

「アキラが…」


最悪…。先刻までの気分が一気に下がった感じ。


「…たい…。」

「え?」

「俺も行きたい。」

「行きたいって、お祭りですか?」


「ん。」

俺の発言にゆやは少し驚いた風だった


「…駄目?」

声を下げて少し残念そうな顔をする。ゆやははこういう顔に弱いんだよね。
慌てて首を横に振ってる。

…おもしろい。

「全然駄目じゃないです。ほたるさんも一緒に行きましょう。」

そう言って優しく俺の手を握った。無意識だろうけどそういうのがうれしいんだよね。


一緒にアキラの所まで行ったら案の定強い殺気で迎えられた。

ゆやは気がついて無いけどさ





「賑やかですねー。」


「うん」

「あ、ゆやさん、あそこで何かやっているようですよ。」


アキラが指さした方にはなにやら人だかりが出来ていた


「なんだろう。行ってみていいですか?」

「ええ。」


小走りで人だかりの中えと潜って行ったのを俺とアキラが見送った。

ゆやが完全に人だかりに紛れたのを確認すると一気に周りの空気に亀裂が出来る。


「―…で、ほたる。何で貴方が着いて来てるんですか…」

「…アキラこそ。勝手に抜け駆けしないでよ。」

「別に抜け駆けでは無いですよ?」


そう言うと何か打算でも有るような笑いを浮かべた

「先刻聞いたら、ゆやさんも私を誘ってくださるつもりだったようですよ。」


「え…そうなの」


(ゆやはアキラと行きたかったの)




…何か…やだ





「あれ…アキラさん、ほたるさんは…?。」

「先刻何処かへ行ってしまいましたよ。」

「ええ!?」

「気にしなくてもいいですよ。どうせいつもの気まぐれですから。」

「…でも…。」



・・・・




何かイライラする。

「いつもの俺っぽくないかも…。」



いつからかな。こんなに気になったのって…。



「これってやっぱ…。」

「ほたるさんっ!」


聞き慣れた優しい声。振り返ると優しいあの彼女<ヒト>がいた…。

「何でいるの…」


よほど急いで走ってきたのかゼエゼエと息が切れる音がする

「やっと見つけました…急に居なくなるから心配しましたよ。」


「え…アキラは?」

「向こうで待っててもらっています。」


ふわっとした笑顔。見つかって安心したって感じかな…。



「……うん。やっぱり間違いないかも。」

「え?」


これって嫉妬って言うんだね…

納得して一人でうんうんと頷いている俺をゆやは?のついた顔で見上げている。
あ、その顔可愛い…。

「そうだ、ほたるさん此れ。」

何か思い出してうれしそうに俺の前に出した物

「…飴?」

「はい。先刻の人だかり水飴売りのお店だったんです。なんだか懐かしくって買っちゃいました。」

少し照れくさそうに笑う

「これ俺の分?」

「もちろんです。…甘い物嫌いでしたか。」


「嫌いじゃない…ありがと。」

安心させたくて笑ってみた。それが伝わったのか花が咲いたような笑顔で返してくれた

「良かったです。さ、戻りましょう。」

「…ん。…待って。」

「えっ」


「…飴のお礼。」

ゆやが振り返った瞬間額に軽く口づけした


「…へ?!」

「じゃ、いこ。」

「え、え、え、ほ、ほたるさん!!」

耳まで真っ赤になって額を押さえてる。やっぱ可愛い…



譲る気なんて毛頭無い


それにほら…俺って、独占欲強いみたいだし




「誰にも渡さないから…。」


ポツリと呟いた男の言葉に気がつく者など居なかった




戦いは此からだ



                                                                 _fin_

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「きのこの小部屋」のきの子様に相互リンク記念に押し付けた品です。
…はい。もう、なんちゅうか…。ほたゆや←アキラとのリクでしたのに、アキゆや←ほたる調になっています。
しかもアキラの出番が少ない…。
ホントこんな物を押し付けて申し訳ないです。貰ってやって下さい(汗




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