早起きは三文の…




「あ、おはようございます。ほたるさん。」

「…はよ。」

ニコニコと元気良く挨拶をするゆやに、寝ぼけた眼を擦りながら答える

「珍しいですね、ほたるさんがみんなより早く起きてくるなんて。」


「んー。そう?」


まだ半分は夢の中なのか、ふらふらとその場に座り込む。


「…また眠くなってきちゃった。」

「え…!」

「おやすみ…。」


そう言いながら眼を閉じようとするほたるをゆやが慌てて揺すり起こす

「ま、まってください。せっかく早く起きたのにまた寝ちゃうなんてもったいないですよ!」

「だって眠いし…。」

「それはそうですが…。あ、ほ、ほたるさん、お散歩しませんかっ?朝の散歩は静かで良いですよ!!」


「散歩…あんたと?」

「はい。いや…ですか?」


「全然…。いいよ、じゃあいこ。」

すっとゆやの腕を掴むと引っ張るように玄関へ向かう。

「わっ。ちょ、ちょっと待ってください。」

「何?」

「う、腕。痛いです。」

「ああ、ごめん。」


残念そうに手を放すと今度はゆやの手を優しく握った。


「此で良い?」

「え…はい。」

まぁいいかと、手を繋ぐ事は何も言わないでゆやはほたると玄関へ向かった。

・・・


朝霧の微かに掛かった小道を2人は並んで歩く


「やっぱり朝の散歩は涼しくて気持ち良いですねー。」

「ん。」



「ほたるさん四聖天に居た頃は誰に起こしてもらっていたんですか?」

「…えーと、アキラかな。でも眠いのに起こすからよく寝ぼけて敵と間違えて攻撃してたみたい。」

「…。」(アキラさん気の毒に)


「あんたは…?」


「え?」

「あんたはこんな朝早く起きて毎日何してんの?」


「え、えぇと…洗濯したり、ご飯作ったり…」


「ふーん。」

「あ、あとたまにこうやってお散歩したりしてますよ!」

「え…そうなの…。」


「はい。いつもより早く起きれた時なんかは。」

「…そーなんだ。」



「はい…。あ、ほたるさん。あそこの土手で少し休みませんか?」

「ん。」

ゆやは手を放すと草の上にちょこんと座り込んだ。ほたるも隣に座る


「どうですか、早起きも悪くないでしょう?」


にこっと微笑みながらほたるを見つめる。

「ん。あのさ、また一緒にいっていい?」

「え?もちろん良いですよ。でも早く起きて下さいよ。」


くすっと笑うと満開の笑顔を見せる


「ああそっか。わかった、頑張る。」


一見やる気無さげの表情だが内に秘めた決意は熱い。


「お腹空きましたね。そろそろ帰りましょうか?」

「うん。」

立ち上がってほたるに手を伸ばす



男共が起き出した頃、仲良く手を繋ぎながら宿へ帰る二人の姿があったとか…




次の日からほたるはゆやよりも早く起きて部屋の前で待っているのだった



「たまには早起きもいいかも…。」



_fin_
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御免なさい!!

時間掛かり過ぎの上、なんだか訳のわからない物を押し付けてしまいました…。
苦情、文句等、いつでも受け付けます。どうかりずり様の心の広さに免じてお持ち帰りくださいませm(_ _)m

2003.9/8



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